前回、ゾッとする話を思い出したこともあり、
私にも怖かった経験はなかったものかと少し考えてみました。
ひとつだけそれっぽいことが。。。でも全く怖くはないです。
ただただ不思議な話。
私が中学生になったばかりの頃だったと思います。
夕飯後、母と姉とリビングで伝説の霊能者・宜保愛子さんの特別番組を観ていました。
宜保愛子(ぎぼ あいこ)さんは、1980年代から1990年代にかけて人気のあった霊能者です。
亡くなった人のメッセージを優しい口調で伝えるなど、ただ怖がらせるだけじゃない、愛を感じる霊能者だったと記憶しています。
その日、宜保さんの特番を食い入るように観ていたと言いたいのですが。。。
私はまさにその時問題を抱えており、どこかスッキリしない気分でテレビに視線を向けていました。
私は公立の小学校を卒業して、ほとんど同じメンバーで近所の中学生になったパターンです。
そんな中で「中学生になったなー」と思えることの一つは、腕時計をつけて登校するってこと。
時代を感じます。。。
私は、父から中学校の入学祝いとして、少し大人っぽい華奢な腕時計をもらいました。
今でも欲しいと思えるようなデザインの、お気に入りの時計だったのを覚えています。
その日もお気に入りの腕時計と一緒に登校したと思うのですが、夕方帰宅して、制服から部屋着に着替えた直後、気づきます。
「あれっ?時計してない」
慌てて、手を洗った洗面台、制服のポケット、学生カバンの中を確認するも、無い。
その日の行動を必死に頭の中で再現。体育の授業もなかったし。。。
早速失くしたとかダサすぎる。
親に言いづらい。
頭の中で思い当たる行動や立ち寄った場所を反芻し、もし本当に出てこなかったら親になんて言うか、
そして、それを伝えるベストなタイミングは?などなど。
完全にパニクりました。
そして心に決めました。
いずれにしても明日、朝一で登校して、ロッカーや机の中を確認するまでだ。
それまでは時計を失くしたなどと親に悟られては面倒なことになる。
そんな心境で、宜保さんの番組を観るというか、ながめていたのです。
番組は終盤へ。
宜保さんが、視聴者に向けて「念」を送ってくれるというのです。
私は、ナチュラルに「助かったー!」と思ったのを覚えています。
ちょっとやばい中学生ですよね。。。
藁にもすがる思いでテレビの真ん前へ移動し、目をきつく閉じ、手を合わせて、
「時計の場所を教えて下さい」と必死に念じました。
なにかインスピレーション的なものがあると期待しながら。。。
その状態のまま、番組は終わってしまいました。
何も浮かびません。何も降りてきません。
。。。そりゃそうだよなー誰も悪くない。。。
「とりあえず明日は早く学校へ行くしかない」と肩を落としていると、
突然、風邪ぎみでもないのに、私の鼻から鼻水がタラーっと垂れてきたのです。
あわてて洗面所へ行き、洗面台横のボックスティッシュに手をかけました。
箱ごと持ち上げたその時、カチャっと小さな音。そしてわずかな重み。
「うそでしょ!」
そうなんです。ボックスティッシュの中に、私の腕時計が入り込んじゃっていたのです。
あの時は、普通に「宜保さん、ありがとー!」と叫んじゃいましたねー。
おそらく、帰宅した直後、手を洗う前までは時計をしていたのかもしれません。
時計を外して置いたつもりが、ボックスティッシュの中に落ちてしまって、探しても見えなかった。
または、朝の身支度の段階で、私の腕時計はボックスティッシュに入り込み、その日学校へは時計をしていっていないパターンも考えられます。
確実なことはわかりませんが、そのあと、家族にめちゃくちゃ興奮しながら、「実は学校で時計をなくしたと思ってて、でも宜保さんが。。。。。」と一気にまくしたてたのを覚えています。
もう20年以上も前に、お亡くなりになられた宜保愛子さん。
改めて、不思議で素敵な思い出をありがとうございます。と言いたいです!
以上、全く怖くはないけど、不思議な話でした。