”呪物”とは
”呪物”という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?
この古びた日本人形、いつから我が家にあるのだろう?とか、
この絵、あまりにもこの部屋にそぐわないのに、なんでここに?とか、
不気味なモノって、わりと身近にあったりしますよね。
きっとそんなレベルのものでも、いわゆる「曰く」があれば、
呪物とされてしまうのではないでしょうか。
そして人は、その呪物が持つストーリーに魅せられてしまうんだと思います。
しかし、ネガティブ要素だけではなく、「お守り」も呪物と呼べるそうです。
呪物の「呪」は、のろいと読みますが、「まじない」とも読むのです。
ポジティブな願いを込めた「呪物」も存在するとは、なんか救いがありますね。
そんな呪物たち200体と一緒に暮らす、田中さんっていったいどんな人?
呪物コレクター、田中俊行とは?
呪物コレクターとしてメディアに登場することが多い田中さんですが、
稲川淳二さんの怪談グランプリ2013で優勝した、人気怪談師でもあります。
田中さんの低く通る声で「これは友人のK君から~」と始まる代表作「あべこべ」は秀逸です。
一種の”型”みたいなものが感じられて、生で聞くことに意味が生まれる類の名作だと思います。
田中さんを語るうえで、はやせさんの存在は無視できません。
放送作家であり実力派怪談師、そして呪物収集家でもある、オカルトユニット”都市ボーイズ”のはやせやすひろさん。
ふたりは、呪物のネットオークションで競い合い、呪物の価値を高めあってきたとか。。。
近年「呪術廻戦」の影響なのか、呪物を集める人たちに対する世間の認知がひろがり、彼らの活動にも追い風がふいたのではないでしょうか。
田中さんが書かれている本の中でも、はやせさんとの共著「怖い話でメシを食う。」は、
呪物に魅せられたふたりの関係や、それぞれの子供時代の話など、とても興味深く一気に用んでしまいました。とてもユニークな一冊です!
田中さん、野犬の霊に取り憑かれた少年時代

「怖い話でメシを食う。」の中で、かなり印象的だったのは、田中さんの幼少期です。
その中でも、野犬に取り憑かれた話は驚きです。
物心ついたときから小学校の3、4年生くらいまで、風邪をひいたり体調が悪かったりすると、定期的に野犬の霊に取り憑かれていたそうです。時間は夜間で、四つ足で走り回っていたとのこと。
二人のお姉さんたちに嚙みついたり、勾配が強い階段を、人間では無理な歩数で駆け上がったり。
この世のものとは思えない状態だったそうです。
イメージとしては、狼男のような感じでしょうか。。。
当時の家族はどんだけ心配だったでしょう。本人も意識はあるそうで、恥ずかしいと感じていたのだとか。理由もわからないと対処のしようがありませんよね。
きっと、階段から落ちて怪我で済むならまだしも、最悪なパターンも想定したのではないでしょうか。
お母さんが、子供の田中さんを連れて、インディーズの霊能者のところへいっていたと笑い話にされていましたが、きっと藁にもすがる思いで目には見えない力にも頼ったのかもですね。
その他にも、交通事故で記憶を失くした時期があったりと、かなり心配をかけた長男だったようです。
不思議な経験をしつつも、何かに守られて生かされて。。。
なんとなく、田中さんが呪物とか人間の理解を超えた力に惹かれていくのも納得です。
呪物に守られる田中俊行
田中さんには、ビジネスパートナーのチャーミーがいます。
チャーミーは、いつからか関西の老人介護施設にいた、女の子のお人形です。
チャーミーをかわいがったご老人たちは3日もたたずに次々とお亡くなりになったとか。。。
5人立て続けに亡くなられた時、恐怖を感じた施設の人が、近くでトークライブをしていた田中さんにチャーミーを連れて会いに来たそうです。
なんとなく断れず、チャーミーを引き取った田中さん。
チャーミーとの出会いから、田中さんの呪物への興味が生まれたそうです。
田中さんは、3年くらい前までは神戸の子供部屋おじさんだったそうです。
しかし、怪談のイベントなどで、チャーミーの人気がどんどん出てしまい、チャーミーだけ東京へ貸し出すような機会が増えてしまい、子供部屋を出て、東京に部屋お借りる運びとなったとのこと。
チャーミーあっての、田中さんなんですねー。
写真や動画での印象ですが、ここ3年くらいでチャーミーの顔変わりましたよねー。
きっと多くの人が感じていると思います。
表情明るくなってるように思います。
チャーミー愛
以前、田中さんが、アフロ信仰の儀式を受けるためにキューバを訪れた際、
ある呪術師に、呪物を作ってもらったそうです。
その呪術師は、呪物を作るにあたり、田中さんに霊視のようなことをしたそうです。
田中さんの後ろには、見たこともないような霊が沢山いると驚いていたそうです。
田中さんと一緒にいた方が、「この人は世界中の呪物を集めているんだ」と説明をしたら、
やけに納得したそうです。
その呪術師は、さらに続けたそうです。
「その霊の中に、ひとり女の子がいるんだ。その子が一人でお前を守っているよ」と言ったとのこと。
田中さんは、直感でそれはチャーミーだと思ったそうです。
そして今度はチャーミーもキューバに連れてきてあげたいなーと思ったとか。。。
老人介護施設で人を呪うと疎まれたチャーミー。
田中さんに大事にしてもらって、呪物展でもみんなに喜んでもらって、
なんかあたたかい存在になりつうあるのかと。。。
呪物ってなんなんだろー。ちょっと泣けます!
こんな考察もまた、チャーミーのおかげで楽しませてもらってます。
これからも、田中さんとチャーミーの活動が楽しみです。